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 SoCのソフトウエア開発を早期に始めるための決め手と言われる、SoCハードウエアの仮想プロトタイプ。その仮想プロトタイプを3度目の正直で開発したというのが、京セラドキュメントソリューションズである。その経緯や、仮想プロトタイプ導入の効果などに関して同社が講演した。

仮想プラットフォーム構築への軌跡を語る村田 修司氏 日経エレクトロニクスが撮影。スクリーンは京セラドキュメントソリューションズのスライド。
仮想プラットフォーム構築への軌跡を語る村田 修司氏
日経エレクトロニクスが撮影。スクリーンは京セラドキュメントソリューションズのスライド。
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SoCのブロックのモデルを開発しなくて済んだ 京セラドキュメントソリューションズのスライド。
SoCのブロックのモデルを開発しなくて済んだ
京セラドキュメントソリューションズのスライド。
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 この講演は「SYNOPSYS USERS MEETING 2014」(日本シノプシスが2014年9月19日に東京で開催」で行われた。登壇したのは、京セラドキュメントソリューションズの村田 修司氏(ソフト開発本部 ソフトウエア2統括技術部 第22技術部 SD33課)である。同氏は複合機向けのSoC開発に携わってきた。2011年にソフトウエアの先行開発に向けて、SoCハードウエアの仮想プロトタイプの構築を検討するものの、CPUコアのモデルがなくて断念した。

 2012年には、CPUコアが英ARM社製になり、そのモデル(ARM Fast Model)が入手できるようになった。これでソフトウエアの先行開発が可能になったが、OSブートしかできない。ホストインタフェース系のデバイスドライバーも先行開発したかったが、購入したIPコアのモデルが開発できずに、2度目の断念となった。

 今回、米Synopsys社のトランザクション・レべル・モデル群「DesignWare TLMライブラリ」と、同社の仮想プロトタイプ用ESLツール「Virtualizer」を適用して、仮想プロトタイプを開発・利用した。これで、初めて搭載したUSB 3.0のデバイスドライバーの先行開発も行えるようになった。

 村田氏は構築した仮想プロトタイプの実用性を評価した結果を明らかにした。例えば、実基板でチェック可能な項目の86%を仮想プロトタイプでもチェックできることを確認したという。また、レジスターやメモリーの値が簡単に参照可能だったり、ソフトウエアのブレークポイントでハードウエアも停止できるなど、デバッグが容易に行えることが分かった。さらに、仮想プロトタイプを使って先行開発したソフトウエアは、実基板でもすぐに立ち上がった。