東芝は、電力サービスのエナリスから出力10kW、容量9.9kWhの蓄電池システムを1万台受注したと発表した。エナリスが電力を販売する全国の法人顧客向けに電力供給量と電力需要量を一致させることを目的に設置するもので、東芝ITコントロールシステムを通じて、2015年度末までに順次納入する。

 納入する蓄電池システムは、東芝製のリチウムイオン蓄電池「SCiB」を搭載している。今回の受注では、1万回以上の充放電が可能な長寿命などが評価された。

エナリスは太陽光発電を核とした再生可能エネルギーの供給事業の拡大を目指している。太陽光発電などの出力変動や気温変化によって生じる発電量の変動を、需要家に設置した蓄電池システムの遠隔充放電で吸収し、電力の需給を管理する。

新電力(特定規模電気事業者、PPS)は電力を販売するに当たり、電力の供給量と需要量を一致させる「同時同量」という需給管理が義務付けられており、一定幅以上のズレが生じたときにはペナルティ料金が科される。2016年4月に予定されている電力の全面自由化後は、大手電力会社を含むすべての電力小売事業者に同時同量が課せられる。

太陽光で発電した電力を需要家に販売する場合、天候や気温で変動する発電量を需要に合わせていかに管理するかが課題だった。特に新電力の場合は調整力に限界があり、太陽光で発電した電力を需要家が直接利用するニーズが高まれば、既存の調整力では追いつかなくなる恐れがあった。

 太陽光で発電した電力の需給管理のほか、エナリスが蓄電池システムを設置した需要家は、ピークカットによる契約電力の低減や安価な夜間電力の蓄電利用による電気料金の削減、災害などによる停電対策に蓄電池を活用することもできる。