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 一般社団法人日本エイカーズが、2014年10月3日の第1回理事会をもって正式に発足した。理事長には、日本医学会会長の高久史麿氏が就任した。日本エイカーズは、臨床試験の効率化と透明性を目指すため、世界で統一したデータ共有システムの構築を目指す米非営利団体のAlliance for Clinical Research Excellency and Safety (ACRES)の日本法人。

 ACRESは治験を含む臨床試験の効率化と透明化のため、臨床試験に関わるデータベースを共有し、研究者と研究機関、製薬企業のネットワークを結ぶシステムの構築を目指している。日本製薬医学会理事長で日本エイカーズ理事の今村恭子氏は「今後3年ほどかけて統一された試験データの共有システムを完成させる予定だ」と話す。

 電子カルテとのシステム連携などのデータ共有に向けたインフラ構築に関して、2014年8月に富士通はACRESと覚書を締結したと発表している。今村氏は「世界を代表するIT企業である富士通の参入に、ACRESは非常に期待している」とコメントした。

 データを共有し、データベースを運用するイメージは以下の通りだ。現在、各製薬企業によって、医師が入力する試験データの入力プラットフォームはばらばらだ。ACRESは、プラットフォームを統一し、医師がデータを入力しやすくする。また、プラセボ対照試験の結果など、企業が開示できる製薬企業の試験デザインを共有し、製薬企業がアクセスできるようにする。加えて、試験を行う医療機関について、診断装置の稼働状況、過去に何件、どのようなデザインで試験を行ったか、医師の試験への参加履歴や論文投稿状況などのデータも蓄積して共有し、製薬企業が情報にアクセスできるようにする。

 今村氏は「医師にとっても、製薬企業にとっても試験の効率化が期待できる。例えば、現在1人の医師が複数企業の臨床試験を実施していると、その結果を入力するプラットフォームは企業によってばらばらで煩雑だった。また、製薬企業が過去の試験情報を共有することで、試験計画を立てる際の参考になる。大型医療機器などの医療機関の情報が共有されることで、製薬企業が試験を実施する機関の選定にも役立つ。データへのアクセス料金などは、これから決めていく」とコメントした。

 日本エイカーズは、参加会員を募り、ACRESのシステム構築に関わるメンバーを編成する。今村氏は「データ共有システム構築に日本から参加することは意義がある」と強調した。また、国内の臨床試験関係者の教育研修、臨床試験施設の組織管理、病院医療情報システムと連動したデータ管理のための基盤整備を行う。

 治験を行う医療機関の支援を行うSMOや企業の治験支援を行うCROと競合しないのかとの質問には、シミックホールディングスの執行役員を務める日本エイカーズ理事の内田一郎氏は「競合はしない」と否定。今村氏は「むしろ、SMOやCROの業務を軽くでき、他の業務に資源を回せると考えている」と話した。