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図1◎自動駐車のデモで使用した実験車両
図1◎自動駐車のデモで使用した実験車両
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図2◎室内に取り付けたステレオカメラ
図2◎室内に取り付けたステレオカメラ
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図3◎EVの実験車両
図3◎EVの実験車両
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 日立オートモティブシステムズと同社のグループ会社であるクラリオンは2014年10月10日、北海道帯広市にある日立オートモティブの「十勝テストコース」で、カメラだけを使用したADAS(先進運転支援システム)のデモを行った。日産自動車やマツダなどの市販車両にステレオカメラや周辺監視カメラ、電子制御装置、走行系アクチュエーター、電動パワートレーンなどの両社の最新技術を搭載し、自動運転の実現に必要な自動駐車や先行車追従、緊急自動ブレーキなどのシステムを試した。

 いずれのシステムも開発中のものだが、数年以内の実用化を目指している。このうち、最も実用化が近そうなのが「自動駐車システム」。クラリオンの周辺監視カメラと、日立オートモティブの電子制御装置や走行系アクチュエーターを組み合わせたものである。

 デモ車両(図1)の4カ所(前後のナンバープレート下と左右のフェンダーミラー)に監視カメラを取り付け、それらのカメラの映像を基に駐車できる場所を探し出す。場所が見つかるとクリープ状態で後退しながら、ブレーキとステアリングを自動操作して周囲の車両などの障害物にぶつかることなく、並列駐車や縦列駐車を行った。駐車場所から発進する際に左右から車両が接近してくると、警告音を鳴らす機能も備えている。

 先行車追従や緊急自動ブレーキなどは、日立オートモティブが「Smart ADAS」と呼ぶ車両統合制御システムによって実現した。このうち先行車追従では、フロントウィンドーの室内側に取り付けた同社のステレオカメラ(図2)だけで、100m前方の先行車に追従できる。緊急自動ブレーキのデモでは、歩行者を模擬したターゲットに対して約40km/hで走行し、ターゲットにぶつからずに車両を停止させた。

 このほか、ハイブリッド車(HEV)や電気自動車(EV)などへの採用を想定した「プレビュー回生機能」のデモも行った。具体的には、フロントウィンドーの室内側に取り付けたステレオカメラで先行車との距離を測り、回生ブレーキによって減速して衝突を回避した。同時に、回生ブレーキで減速を開始する最適のポイント(アクセルから足を離す最適のポイント)を、室内のディスプレー画面でドライバーに知らせた。

 日立オートモティブは、「自動運転を実現する際には、ドライバーに違和感を生じさせない車両の運動制御が必要になる」と考えている。こうした考えに基づいて開発しているのが、「GVC(G-Vectoring Control)」という制御システム。車両がカーブに入る前とカーブから出る時に自動で加減速させ、ドライバーの安定したステアリング操作を支援するものである。今回のデモでは、室内に取り付けたステレオカメラで先行車に追従しながら65~70km/hでカーブ(半径55m)に進入し、車両をふらつかせることなくカーブから退出した。

 このほか、路面の状況に応じてタイヤの回転を制御し、走行を安定させるシステムのデモも行った。使用したEVの実験車両(図3)には、日立オートモティブ製のモーターやインバーター、駆動制御装置、日立ビークルエナジー製のリチウムイオン電池などを搭載した。