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 富士フイルムは、胃や食道などの上部消化管を内視鏡で観察する際に、粘膜の色のわずかな違いを強調することで、悪性腫瘍(がん)などの要因になる粘膜の炎症を診断できる技術を開発した。早期がん発見などに向けて2波長のレーザー光源を搭載した同社の内視鏡システム「LASEREO(レザリオ)」の新しい画像処理機能として、2014年10月23日に提供を始める(関連記事1同2)。

 併せて同日、LASEREO用内視鏡の新ラインナップとして、鼻から挿入する(経鼻)タイプの上部消化管用内視鏡を発売する。2014年10月14日に、これらの新製品(機能)発表会を東京都内で開催した。

ピロリ菌感染をLCI(Linked Color Imaging)技術でとらえる。発表会で、北海道大学病院の加藤元嗣氏が示したスライド
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胃がんや食道がんによる死亡率を下げる

 今回同社が発表した「LCI(Linked Color Imaging)」と呼ぶ画像処理機能は、消化管のがんを「早期」よりもさらに前の段階で発見するのに威力を発揮する。2012年に同社が発売したLASEREOは、早期がんに特徴的な粘膜中の微細血管の変化などを描出できることをウリとしていた。LCIはそれをさらに一歩前進させた形だ。

川崎医科大学の春間氏
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 発表会で臨床医の立場から新機能の有用性を説いた川崎医科大学の春間賢氏(消化管内科 教授)によれば、日本では年間に約14万人が胃がんを患い、胃がんによる年間死亡者数は約4万9000人に及ぶ。食道がんは年間約2万人が患い、年間死亡者数は約1万1000人。これらの罹患者や死亡者には30~50歳代といった「生産性の高い世代が少なからず含まれており、早期発見と治療による治癒が(社会的に)強く求められている」(春間氏)。