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講演する吉田 利雄氏
講演する吉田 利雄氏
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スパコン向けに命令セットアーキテクチャーを拡張

 今回の講演では、SPARC64 XIfxやスパコン「京」のプロセッサーIC「SPARC64 VIIIfx」(日経テクノロジーオンライン関連記事2)に適用した、同社のプロセッサー設計技術に関して次の5つの点を主に語った。

技術1:命令セットアーキテクチャー 数種存在するデファクトスタンダードの1つ「SPARC V9命令セット」をスパコン向けに拡張した(HPC-ACE2)。例えば、複数計算を同時に実行するSIMD命令や、指数関数などの科学技術計算を高速化する命令が追加された。新規命令の追加にあたっては、「その効果を定量的に予測する高精度な性能評価技術が不可欠だった」(吉田氏)とした。

技術2:マイクロアーキテクチャー 命令実行パイプラインの動作、多数コア間の高速接続などの方式を規定する技術である。今回のプロセッサーではOut-of-Order命令実行、キャッシュ制御技術など、同社のノウハウに基づく最先端の技術をSoC(system on a chip)内に取り込んだ。

技術3:論理設計 同社は、独自の論理記述言語で表したプロセッサーの動作記述を既に数百万行以上を蓄積している。回路の種類に応じて、論理記述の抽象度を選んでいるという。
トランジスタレベル:演算器、SRAM、レジスタファイル、高速I/Oなどの回路ブロックを、動作速度、回路サイズ、消費電力を考慮して最適設計。
ゲートレベル:前記、回路ブロックを組み合わせた上位回路を、実装を考慮に入れつつ設計。
RTL(register transfer level):動作周波数が低い回路を効率的に設計。

技術4:論理検証 テストプログラム開発、高速シミュレーター使用技術等を含めた検証ノウハウにもとづき、事前検証を尽くすことで、実機初版でOSが起動するレベルの高品質を実現している。

技術5:物理設計 基本セル、回路ブロック等をチップ内に効率よく配置して、その間を配線接続する。同社では論理設計者自身が物理設計も担当することで、論理、物理を考慮した最適設計を実現可能。近年はマニュアル配置と自動配置ツールを最適に使い分けることで大規模化に対応している。