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本田技術研究所の永留克文氏
本田技術研究所の永留克文氏
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 ホンダは、自動車の組み電線(ワイヤーハーネス)の設計を効率化する取り組みを図研が主催する講演会「Zuken Innovation World 2014 YOKOHAMA」(2014年10月16~17日、横浜市)で発表した。要求仕様の作成に独自開発の回路設計ツールを導入することや、回路図やレイアウトの成立性を机上で検証できるようにして、ワイヤーハーネスの設計工数を従来に比べて半減した。

 登壇した本田技術研究所の永留克文氏(四輪R&Dセンター第8技術開発室室長)は、ワイヤーハーネスの設計は「これまで人海戦術で、(3次元CADを駆使するボディーなどの設計に比べて)開発効率を高める取り組みが遅れていた分野」と語る。現在ホンダは、ワイヤーハーネスの設計を三つの観点で効率化して工数を減らす取り組みを続けている。

 第1の観点が「情報のフルデジタル化」。これまでは要求仕様を米Microsoft社の「Excel」や「Word」などを使って記し、その情報を別の技術者が読み解きながらCADで図面にしていた。要求仕様の作成に決まった書式はなく、誤記や記入漏れがあった。そこでホンダは独自に開発した回路設計ツールを使うことで、誤記などを防ぐ仕組みを導入した。導入後は誤記の数はゼロに、CAD図面に転記する際の修正期間は1/4に減った。

 加えて「情報のフルデジタル化」を実現するため、ホンダは現在、ワイヤーハーネスの配置図を3次元データにしてハーネスメーカーに出図できる仕組みを構築中だ。構築後には、作図から出図までにかかる工数を現在の2週間程度から1日に減らせると見込む。

 第2が「トップダウン設計」である。これまで車両の部位ごとの担当者がそれぞれワイヤーハーネスの回路図を設計し、それらを取りまとめて車両1台分の回路図にしていた。ただ担当者間で調整していないと、例えばドアとインパネのワイヤーハーネスがつながらないといったことが起こりやすい。すると手戻りが発生して余計な工数が掛かってしまう。