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余った電気は、足りない施設へ─。街全体でエネルギーの平準化を図るスマートグリッドが、民間の大規模開発で本格稼働した。公道をまたぐ異なる用途間の電力を融通し合うことで、約26%のピークカット、電気代にすると年間1000万円の節約が可能になる計算だ。

柏の葉スマートシティ・ゲートスクエアを南から見る。写真に写っているほとんどの範囲が柏の葉スマートシティのエリアで、中央のホテルや賃貸住宅、オフィスなどからなる街区がゲートスクエア。左手前は2006年に開業した「ららぽーと柏の葉」(写真:吉田 誠)

 三井不動産が郊外型スマートシティの先進例として開発を進める「柏の葉スマートシティ」(千葉県柏市)で、7月8日、複合施設「ゲートスクエア」がオープンした〔写真1〕。つくばエクスプレスの柏の葉キャンパス駅前にあり、同社がスマートシティの中核と位置付ける施設だ。この施設の完成によって、自営の送電線で分散電源を融通し合う「スマートグリッド」が国内で初めて実現した。総事業費は約179億円だ。

〔写真1〕ららぽーとと電力を融通
正面に見えるのがゲートスクエアの施設群。左手前の「ららぽーと柏の葉」と電力をやり取りする。非常時には太陽光発電などで正面奥の住居棟の共用部にも電気を供給する(写真:吉田 誠)

 柏の葉スマートシティは、公・民・学が連携して「健康長寿」「環境共生」「新産業創造」の実現を目指す課題解決型の街づくり事業。ゲートスクエアは、健康サービス専門店街などを有する商業施設と交流型オフィス〔写真2〕、エネルギー関連施設、ホテルと賃貸住宅のほか、東京大学フューチャーセンターからなる。

〔写真2〕知的交流や健康サービスを提供
新産業創造を目指すオフィス「KOIL」(左)と健康サービス店街「街のすこやかステーション」(写真:吉田 誠)

 三井不動産柏の葉街づくり推進部事業グループの加藤晃一統括は「街づくりのショーケースとしてフルラインアップをそろえた。他地域への展開の可能性を含め、省エネなどの効果を検証していく」と話す。

 一帯では、事業主体の千葉県に民間企業や大学などが協力し、273ヘクタールの土地に都市基盤整備を進めるプロジェクト「柏の葉イノベーションキャンパス」が進行中だ〔図1〕。計画地内にゴルフ場を保有していた三井不動産は、2005年のつくばエクスプレスの開業に合わせて、街づくりに着手。これまでに商業施設「ららぽーと柏の葉」の開業や分譲マンションの供給などを進めてきた。

〔図1〕開発は第2ステージへ
ゲートスクエアのオープンで駅周辺に展開してきた第1ステージが完了。今後は面積約300万m2の街全域にスマートシティの機能を広げる(資料:三井不動産)