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図1 中央にあるのが、開発したウエアラブルセンサー。左が、同センサーと接続したスマートフォン。右がセンサー内部に搭載した基板
図1 中央にあるのが、開発したウエアラブルセンサー。左が、同センサーと接続したスマートフォン。右がセンサー内部に搭載した基板
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図2 消費電流の比較(図:ローム)
図2 消費電流の比較(図:ローム)
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図3 心拍の測定原理の概要(図:ローム)
図3 心拍の測定原理の概要(図:ローム)
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 ロームと神戸大学大学院 教授の吉本雅彦氏、同大学院 助教の和泉慎太郎氏らの研究グループは共同で、消費電流が平均38μAと小さい、スマートフォンと接続して用いるウエアラブル生体センサーを開発した(図1)。同種の従来品に比べて約1/5の消費電流だという(図2)。心拍数のほか、加速度センサーからのデータを基に各種活動量を計測・記録できる。中でも、心拍の取得に必要な消費電流は6μAと小さい。

 消費電力を削減するために、今回大きく3つの工夫を施した。第1に、心拍取得部の電力を従来比で約1/20にした。

 今回の心拍取得部は、体の心臓付近につけた2つの電極の電位差(心電波形)を増幅器で増幅し、それをA-D変換器でデジタル信号にした後、DSPで信号処理を施して、心拍間隔や心拍数を算出する(図3)。従来方法では、増幅器で増幅し、A-D変換器でデジタル信号にした後に、単純なしきい値判定によって、「R波」という心拍パルスを検出していた。

 今回の方法はDSPによる信号処理を加えた分、消費電力が大きくなるが、アナログ回路などの他の部分の消費電力が小さくなったので、心拍数を検出するために必要な全体の消費電力は小さくなった。DSPでの演算処理に独自のアルゴリズムを適用して雑音耐性を高め、利得が小さい増幅器でも、R波を検出できるようにしたという。増幅器の利得を下げたことが、消費電力の削減につながった。

 加えて、R波が発生していないときには、A-D変換器やDSPをオフにする間欠動作によって、消費電力の削減を図った。