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 東芝は2014年12月1日、日本人向けゲノム解析チップ「ジャポニカアレイ」を用いたゲノム解析サービスを開始した(リリース)。1人当たりの解析費用は1万9800円(税別)と従来のゲノム解析に比べて格段に安い。まずは東北大学、弘前大学、新潟大学のコホート研究向けの解析を手掛ける予定で、今後、その他の研究拠点や製薬会社からも受託したい考え。同日、同サービスに関する報道機関向け説明会を東京都内で開催した。

96個(96検体分)のジャポニカアレイを載せた解析用プレート
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全ゲノムの85%をカバー

 ジャポニカアレイは東芝と東北大学が共同開発し、米Affymetrix社が製造技術を提供したゲノム解析チップ。その特徴は、遺伝子型の予測技術(ジェノタイプインピュテーション)を盛り込むことで、ゲノム解析コストの大幅な低コスト化を可能にした点にある(関連記事1同2)。日本人に特徴的な塩基配列を持つ約67万5000カ所の一塩基多型(SNP:スニップ)を調べることで、約30億塩基の全ゲノムの解読(フルシーケンス)に近いゲノム解析を疑似的に実現できる。日本人における発生頻度が5%前後のSNPのシーケンスの推定が可能で、全ゲノムの約85%のシーケンスを推定・復元できるという。

 ジェノタイプインピュテーションの裏づけとなるのは、東北大学 東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)が構築した「全ゲノムリファレンスパネル」。ToMMoがコホート研究「東北メディカル・メガバンク計画」で実施した、1000人分の全ゲノム解析に基づいて構築したデータベースである。SNPの変異箇所や発生頻度をまとめ、日本人の“標準的な遺伝情報”として参照できるようにしたものだ。このデータベースを活用し、遺伝子型を最大限補完できるようにアレイを設計することで、疑似的なフルシーケンスを行えるようになった。

 ジャポニカアレイでは、従来は次世代シーケンサーを使っても「50万円・1カ月」といった費用と時間を要していたゲノム解析を「2万円・1週間」で可能にした。これにより、「100米ドルでのゲノム解析に向けた一歩を踏み入れた」(東芝 ヘルスケア社 ヘルスケア医療推進部 ライフサイエンス部 部長で、東北大学 革新的イノベーション研究機構長の高山卓三氏)。

ゲノム解析サービスについて説明する東芝 ヘルスケア社の高山卓三氏
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