2014年は、再生可能エネルギーによる電力の固定価格買取制度(FIT)が日本で施行されてから、3年目になる。発電を始めてから、1年間以上を過ぎたメガソーラー(大規模太陽光発電所)が増え、年間を通した発電量の実際の推移などを通じて、太陽光発電事業の事業性の実態の把握、ノウハウの蓄積や、新たな関連サービスの提供などが進みつつある。
FITの施行を機に、さまざまな分野の企業が太陽光発電事業に参入し、日本の電力市場が変わる可能性を示す一方、課題が浮き彫りになった一年でもあった。
「メガソーラービジネス」の2014年の掲載内容のうち、アクセス数が多かった内容から、2014年の現状や今後の課題を展望する。
2014年1月1日~12月25日の間に、「メガソーラービジネス」において、最も多くの読者に読まれたのが、2月に関東甲信越地域で降った、約100年ぶりという記録的な大雪による影響を、写真入りで掲載したメガソーラー探訪「大雪ですべての架台が歪んだ、上野原のメガソーラー」(第1位)だった。関連する「損壊、パワコンの停止、発電量の低下――2月の大雪、その時、メガソーラーは? 」(第2位)が続いた。
積雪をはじめ、強風、雑草などへの対策を強化するほど、初期投資額が増える。FITによる買取期間の20年間に一度、あるかないかの想定外の大雪や強風に対する対応は難しい。
立地する地域で想定される以上の対策を施せば、事業性を過剰に損なうことになるからだ。2月の大雪は、事業性と想定外の災害への備えのバランスを、改めて考えるきっかけとなった。
積雪関連では、雪を逆手に取って運営する、「雪を味方につける旭川市のメガソーラー」(8位)も、積雪地のメガソーラーの可能性として注目を集めた。