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 オランダNXP Semiconductors社とフィンランドEnfucell社は、フィルム状の温度ロガーの試作品を開発した(NXPニュースリリースEnfucellニュースリリース)。ワクチン、ホルモン、血液などのバイオ医薬製品の生産から投与まで低温で管理する、いわゆるコールドチェーンに向けて開発されたもので、使い捨てを視野に入れている。

 発表によれば、これまで、コールドチェーンの温度モニタリングには、化学的温度ロガーや、電子式ロガーが使われているが、どちらも課題がある。化学的温度ロガーは、コールドチェーン内での規定温度からの逸脱を検出するだけで、その発生時期は記録できない。一方、電子式ロガーは高価な上にかさばることから、パレットには使えても、アイテムごとには適用できないという。

 今回、NXPとEnfucellは、フィルム状の使い捨て温度ロガーの試作品を開発した。この試作品は電子式ロガーと同様の機能を持つ上、小さくて低コストのためアイテムごとのロギングを可能にするという。NXPの温度検出用IC「NHS3100」と、Enfucellの極薄電池、NFCアンテナが試作品には搭載されている。

 NHS3100は1チップの温度ロガーである。このICは、高精度温度センサー(誤差0.3°C)や、NFCインターフェース、高精度タイムリファレンス、不揮発性温度ロギング用メモリー、ARM Cortex M0+を集積している。これで、バイオ医薬製品メーカーなどのユーザーは、アイテムごとに温度逸脱制限値を設定することができる。また、内蔵のタイムリファレンスにより、温度制限値を逸脱した場合のトレーサビリティが物流チェーン全体で確保されるという。さらにNFCインターフェースを備えていることから、NFC対応スマートフォンやリーダーを使って、アイテムの状態を知ることが可能である。

 Enfucellは厚さ0.7mmと極めて薄い電池を提供している。今回の試作品には、同社の電池が搭載されている。その保存可能期間は1年、使用開始後のロギング可能期間は2年である。