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 無線で電力を伝送するワイヤレス給電技術。既にスマートフォンなどの携帯機器では製品化済みだが、自動車でもいよいよ実用化のフェーズに突入する(関連するセミナー)。国際標準規格化の議論が大詰めを迎えており、2015年5~6月にも方向性が固まるためだ。

 これにより、自動車が止まった状態でのワイヤレス給電技術を用いた充電(定点充電)機能を市販車に搭載する環境が整う。本稿では、自動車向けのワイヤレス給電技術を巡るここ数年の動きを振り返ることにする。

 自動車メーカーの動向を中心にまとめた前編は、こちら。エレクトロニクス業界を巻き込んだ開発競争を整理した中編は、こちら

図1 Volkswagen社のEV「e-up!」は、フロントフードの下のエンジンルームに普通充電口を配置した。充電ケーブルを差し込むには、まず後部の荷室内から充電ケーブルを出して、フロントフードを開ける必要があり、やや使い勝手が悪い。

 間もなく実用化が始まる、自動車が止まった状態でのワイヤレス給電技術を用いた充電(定点充電)。第1弾の製品に向けた技術開発の目途は立っている可能性は高いが、これで開発が終わるわけではない。

 電動車両およびそのワイヤレス給電システムが普及期に突入する際には、更なる電力伝送効率の向上やコストの低減が欠かせないからだ(図1)。

 経済産業省の担当者は、「電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)を普及させる上で、充電インフラの拡充は欠かせない。その点で、ワイヤレス給電への期待も大きい」と語る。