自動車の電動化などに伴いモーターの需要が拡大する中、エネルギー需給戦略においてもモーターの省エネ化が重要課題の1つになっている。競争力のある小型・高効率モーターを開発するには、実機にモーターを組み込みんだときの磁性特性を評価する技術や構造設計技術を開発するとともに、その性能・信頼性評価技術の確立が不可欠となっている。そのためNEDOとMagHEMは、高低温減磁試験評価技術と超高精度モーター損失分析評価技術、薄帯状高効率鉄心材料の磁気特性評価技術の開発に取り組んだ。
新たに開発した装置は、[1]超高精度モーター損失分析評価装置、[2]薄帯状高効率鉄心材料の特性評価装置、の2種類。[1]には、磁気浮上によって機械摩擦損失のない磁気軸受を採用した(図1)。これにより、モーターの損失評価において誤差の原因となっていた機械損失の変動要因を低減させた。
さらに、磁気軸受の一方にトルク検出器を介して負荷モーターを、他方に直接供試モーターを取り付ける構造とすることで、供試モーターを取り付けやすく、かつ供試モーター側から機械的な接触部をなくした(図2、3)。これによって安定してモーター電磁損失を測定でき、高精度な損失分析が可能となる。