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 米国内やメキシコでの樹脂産業の復活の兆しは、射出成形機メーカーや金型メーカーの復調や再編が進んでいることからも伺い知れる。米国最大規模の射出成形機メーカーMIRACLON社(オハイオ州)は、金型標準部品メーカーの老舗米DME社(ミシガン州)を傘下に収め、コ・インジェクション・バルブゲート・メーカー米Kortec社(マサチューセッツ州)も買収し、ホットランナー・システムの最大手の一つカナダMold Masters社の株式を保有するなど、M&Aによって樹脂のトータル企業として成長を目指している。MIRACRON社はファナック(本社山梨県・忍野村)と射出成形機分野で提携していることでも知られている。

 北米への射出成形機や金型の有力な供給元はドイツ近隣諸国と日本である。最先端の機械装置、金型は両国から輸入されるケースが主流だ。射出成形機世界シェア上位のオーストリアENGEL社は、米Trexel社(MIT発のベンチャー企業)が開発した超臨界微細発泡成形技術「MuCell」と、フランスRocTool社(ローヌ・アルプ州)が開発した金型電磁誘導急速加熱システムを複合させた、軽量で美麗な表面の成形品を製造できる射出成形システムを出展した。成形品重量を軽減させ、従来のMuCellの弱点であったスワールマーク(液体が流れた跡のようなマーク)をキャビティ表面温度の急加熱で完全に解消させるという、新しい技術を短いサイクルタイムの中で実現してみせた。

 この技術は、オーストリア、米国、フランスという3か国の最先端技術の融合によって実現している点が見落とせない。国境を越えた思想が融合することでイノベーションを起こしたパイオニア的事例といえよう。

>図1 金型電磁誘導急速加熱システムを適用し、超臨界CO<sub>2</sub>を併用した射出成形によって製作した自動車内装センターコンソール
図1 金型電磁誘導急速加熱システムを適用し、超臨界CO2を併用した射出成形によって製作した自動車内装センターコンソール〔ポリカーボネート(PC)/アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)製〕
写真:ENGEL AUSTRIA社
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図2 超臨界微細発泡成形において成形品表面を美しく仕上げるのに貢献している金型電磁誘導急速加熱ジェネレーター
図2 超臨界微細発泡成形において成形品表面を美しく仕上げるのに貢献している金型電磁誘導急速加熱ジェネレーター
写真:RocTool社