電力小売事業の全面自由化を控えた日本に、海外企業が熱い視線を送っている。海外企業は電力自由化で先行する欧米で実績を積んでおり、その経験を生かして日本に適したサービスを送り込もうとしている。

 そのうちの1社が、フランスSchneider Electric社である。同社が欧米で展開し、日本への導入も検討しているプロシューマー向け事業について、同社のPartner Businessで Prosumer Business VPを務めるMatthieu Mounier氏に聞いた(図1)。

図1 フランスSchneider Electric社 Partner Businessで Prosumer Business VPを務めるMatthieu Mounier氏

――プロシューマーとは、どのようなものか

 「プロシューマー(prosumer)」とは、「プロデューサー(producer)」と「コンシューマー(consumer)」を組み合わせた造語である。エネルギー分野では、住宅やビル、工場などの電力の消費者が、電力の生産者にもなるという意味で使われる。

 住宅やビルがプロシューマーになれば、より積極的にエネルギー管理へと踏み出すことになる。経済的な利点が最大になるように、自らの電力消費量を削減しながら、設置した再生可能エネルギーの利用を拡大していく。

 電力自由化が進んだ欧米では、プロシューマーの行動を電力系統の負担を減らす方向に仕向けるように、様々なインセンティブが用意されている。

 例えば、電力消費の少ない時間帯に電気料金を安くする「タイムオブユース」や、ピーク電力を引き下げれば電気料金の追加負担が少なくなる「デマンドチャージ」、電力不足時に電力消費を抑えると報酬を得られる「デマンドレスポンス(DR)」、再生可能エネルギーで発電した電力を自家消費すると売電するより得になる制度などである。

 プロシューマーが増えて電力消費者の役割が変わると、エネルギーのエコシステムが大きく変化する。つまり、巨大な発電所から電力を一方向に供給する中央集権的な既存のシステムから、分散した電源が電力を相互にやりとりするシェア型のシステムに変わる。そして電力系統はスマートグリッドに進化する。