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スマイルカーブの底に沈む危機

図2● コンピューティングのスマイルカーブ
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 なぜIntel社は、それほどAltera社の買収に必死だったのか。今のコンピューティングの世界でのシステムの価値について、次のような簡単な図を描いて考えると合点がいく(図2)。横軸にシステムの規模の逆数を、縦軸にシステムの価値を取った場合、現在のシステムの価値はスマイルカーブのような曲線を描く状況になりつつある。

 Mooreの法則に沿ってマイクロプロセッサーの性能が伸び続けていた時代には、システムのダウンサイジングの流れに乗って右へ右へと伸び、右肩上がりの曲線を描いていった。これが、インターネットの発展によって、サーバーを置くデータセンターの価値と個人保有の端末の価値が押し上げられていった。そして、クラウドコンピューティングの時代となった今、片側にサーバーの集合体であるデータセンターを置き、もう片側にスマートフォンもしくはIoT関連の端末を置いたスマイルカーブを描くようになっている。

 Intel社は、将来このスマイルカーブの底に落ちてしまう可能性があったのではないか。同社のサーバー向けマイクロプロセッサーの売り上げは、2015年1-3月期(第1四半期)には営業利益の半分以上を占めている。スマイルカーブの価値の高い口角の一端を確保しているかたちだ。ところが、その現在絶好調のサーバー向けの分野で、処理エンジンをマイクロプロセッサーからFPGAに移行する動きが急速に進展していくことがハッキリしてきた。マイクロプロセッサーとFPGAで電力当たりの性能を比較した場合、検索処理では約10倍、複雑な金融モデルの解析では実に約25倍もFPGAの方が高いという。

 もう一方の口角の一端であるスマートフォン向けのマイクロプロセッサーの分野は、英ARM社の牙城である。簡単に取って代わることができない。このままでは、スマイルカーブの底、パソコン向け市場だけが同社に残された格好になってしまう。