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Microsoft社が明かした水面下の動き


 一般に、Intel社が危機的な状況にあったという認識は持たれていない。その理由は、データセンターで使われている技術はブラックボックスの中にあり、その動向をつまびらかに知ることができなかったからだ。唯一、ブラックボックスの中で起こっていることを垣間見せてくれたのが、Microsoft社だった(図3)。

図3●Microsoftが自社データセンターの頭脳を刷新
出典:Doug Burger"Transitioning from the Era of Multicore to the Era of Specialization"SICS SOFTWARE WEEK 2014
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 同社は、2014年6月に自社のデータセンターにFPGAを導入すると表明し、業界関係者を驚かせた。そして、同年10月のSICS SOFTWARE WEEK 2014には、技術の詳細も発表(技術発表のプレゼン資料)(技術発表の動画)。ここでFPGAはマイクロプロセッサーをアシストするチップなどではなく、データセンターの中核チップであること、そしてその導入によってデータセンターのコストがザックリ半分になる驚くべき効果を挙げる可能性を秘めていることを知らしめた。その後、Microsoft社以外にもBaidu社、Facebook社など巨大なデータセンターを保有する多くの企業が、同様の計画を持っていることが判明するにつれ、見えなかった水面下での抜き差しならない動きがありありと見えてきた。

 Microsoft社の技術発表の資料を見ると、開発当初の2011年時点ではAltera社の競合である米Xilinx社のFPGAを使って試作していたことが分かる。そして、途中からAltera社にスイッチしている。近年、Altera社とXilinx社には、開発環境の整備戦略に明確な違いがあった。Xilinx社は、ハードウェア開発者が、より大規模で、複雑なシステムを構築できるようにするための、高位合成の開発にこだわった。この開発指針は、これまでのFPGA向けEDAの進化としては、極めて真っ当な方向性と言える。これに対しAltera社は、ソフトウェア技術者によるハード設計を容易化するための技術、「OpenCL」への対応を優先させた。それまでのFPGAユーザーの便宜よりも、新しいFPGAユーザーを取りにいくことを優先したのだ。Microsoft社によるチップの乗り換えは、こうした指針の成果であったと思われる。