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最先端工場の立ち上げに好影響


 (3)は、Intel社が最先端の工場を維持していくためには欠かせない要素となる。最先端の工場を、効率よく、かつ一定の収益を得ながら立ち上げるために、FPGAは最善のチップなのだ。この点についても、少し補足しておきたい。

 ファウンドリー企業であるTSMCでは、新しい製造技術を使って最も早く量産するチップとして、FPGAを当てていた。これは、FPGAには最新製造技術の立ち上げ用のチップとして、他にはない好ましい性質があるからだ。かつて日本の半導体メーカーの多くは、新しい工場の製造プロセス立ち上げを、SRAMの量産を通じて行うことが多かった。汎用性が高いため大量生産が見込め、回路が規則的で製造条件の調整に向けた解析が容易で、論理LSIと同じプロセスで製造していたためだ。

 現在のファウンドリーのように論理LSIを専ら製造する工場において、SRAMに替わる役割を果たせたのがFPGAなのだ。そもそもFPGAとは、内部構造をかなりデフォルメして考えると、クロスバースイッチの上に複数のSRAMを浮かべた構造の論理LSIである。チップの大半は、メモリーと見間違うほど規則的なパターンで覆われている。また、さまざまな機能のハードウェアをプログラミングで実現できる高い汎用性は、少品種大量生産に向く。このため、製造技術を立ち上げるためのデータを十分に取得するに足る生産量を見込める。Intel社は、14nmトライゲート・プロセスの立ち上げに手こずり、製品投入の延期を余儀なくされた経緯がある。FPGAの獲得は、マイクロプロセッサー事業にとっても好結果をもたらす可能性が高い。