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写真 MVVエナジー社の本社ビル(撮影:日経BPクリーンテック研究所)
写真 MVVエナジー社の本社ビル(撮影:日経BPクリーンテック研究所)
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 ドイツの地域エネルギー・インフラ供給会社であるシュタットベルケの活動には、日本で活発化している地域の地産地消や地域新電力のビジネスモデル構築の参考になる事例が多い。

 例えば、マンハイム市のシュタットベルケであるMVVエナジー社は、電気、熱、ガスなどのエネルギー事業を核にして、その周辺事業として水道事業や廃棄物処理事業を行う。売上高は約4億ユーロ(約550億円)、顧客数は115万世帯と最も成功した事例の1つである。地域密着型のサービスを強化し、複数のサービスをセットにして供給することで顧客の囲い込みに成功した。さらに再生可能エネルギーの促進、コジェネレーションの促進といったドイツ政府の政策に合わせた戦略を練り、展開している。

 MVVエナジー社は、スマートグリッド実証プロジェクトである「E-エナジー」の実証地域に選ばれ、最先端技術の開発を進めてきた。既に実用化のフェーズに入っており、そのための新しいプロジェクトも始まっている。需要家がプロシューマーとしてエネルギー事業に関与する未来型エネルギー市場を志向する。

 シュタットベルケの視察に訪れているスマートエナジー研究所のチーフコンサルタントである中村良道氏によると「電力自由化後の環境でたくましく生き残っているシュタットベルケには日本が学ぶべきことがたくさんある。地域熱供給事業のための熱需要創出ノウハウや再生可能エネルギーのドライビングフォースなど、訪問して初めて分かることがある」。

 2016年4月には小売り全面自由化を控え、日本とドイツの生活環境などの違いを考慮しつつ、シュタットベルケから学ぶべきことは貪欲に取り入れ、日本のエネルギー事業の新しいビジネスモデルを構築すべきタイミングに来ている。