京都大学は6月2日、電源のベストミックスに関する消費者受容度の日米比較調査結果を公表した。原子力発電や再生可能エネルギーの比率に対する金銭的な支払意思額を計測するとともに、米国の消費者の支払意思額との比較を分析した。

 同大学 経済学研究科の村上佳世研究員、依田高典教授、政策研究大学院大学の田中誠教授、米カリフォルニア大学バークレー校のLee Friedman教授らの研究グループが調査した。

 東日本大震災後の2013年2月に、インターネット調査会社1社に登録している日米それぞれ4000人を対象に調査した。

 月間電気料金、温室効果ガス 排出削減量、電源構成における化石燃料比率、原発比率、再エネ比率、水力比率などについて、数値設定が異なる二者択一で、回答者が望ましい方を選び、この選択を集計したデータを分析した。

 分析の結果、福島の原発事故以降、日本の6割以上が、原発に対する認識が変わったと回答し、国内の原発を将来的に廃止すべきと考えていることがわかった。米国では、半数の回答者が、原発は慎重に増設すべきと考えている。

 再エネについては、日米とも、7割以上が今後、より普及するべきだと考えている。日米ともに、太陽光発電に対する評価が高い。日本では地熱発電、米国では風力発電に対する期待が大きいなどの差もあった。

 ベストミックスに関する受容度については、再エネ比率を10%上昇(火力電源を代替)する案に対して、日本の消費者は、月間電気料金の310円までの上昇が妥当と考えている。米国の消費者は、約700円上昇しても良いと考えている。

 原発比率を10%上昇(火力電源を代替)する案に対しては、日本の消費者は、月間電気料金が720円下落しないと釣り合いがとれないと考えている。米国の消費者は、約100円の下落で十分だと考えている。

 消費者は、ベストミックスと電気料金に関するトレードオフに直面していると分析している。原発は嫌い、再エネが好きなものの、値上がりは嫌いだと考えている。

 このような時に、消費者は「認知的不協和」を引き起こしやすいとしている。具体的には、原発の容認、値上がりの反対、あるいは原発の反対、値上がりの容認といった選択肢を無理やり選ばせてしまうと、たまたま選んだ選択肢に固執してしまう可能性がある。

 このため、「今は無理をして選ばないという選択肢があれば、消費者の効用が10%以上、上がることも知られている」としている。