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図1:直島製錬所
図1:直島製錬所
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図2:直島製錬所におけるE-Scrapの受け入れ・処理工程
図2:直島製錬所におけるE-Scrapの受け入れ・処理工程
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 三菱マテリアルの金属事業カンパニーは2015年6月25日、直島製錬所(香川県・直島町)において貴金属含有スクラップ(E-Scrap)の受け入れ・処理能力を拡大すると発表した(図1、ニュースリリース)。設備増強後の処理能力は、現行より約3万t/年多い約11万t/年。E-Scrapの処理設備としては「世界最大規模」(同社)という。2016年4月に設備増強が完了する予定だ。

 同製錬所では、E-Scrapを受け入れた後、計量、検品、サンプリング、試料調整、分析の各工程を経た上で再資源化処理を行っている(図2)。同社は今回、約50億円を投じてこれらの設備を増強する。

 再資源化には、有価金属製錬技術の1つ「三菱連続製銅法」を適用する。この技術は、S炉(Smelting Furnace:熔錬炉)とCL炉(Slag Cleaning Furnace:錬かん炉)、C炉(Converting Furnace:製銅炉)、精製炉の4つを樋(とい)でつなぎ、一連のバッチ操業を連続化した製銅法だ。設備を小型化できる上、省エネルギー・低コストでの操業が可能という。さらに、従来の方法では各炉間の移動に伴って亜硫酸ガスの漏煙が発生していたが、同技術では亜硫酸ガスが漏煙せず、排ガス処理工場で高効率に処理される。

 家電やパソコン、携帯電話機といった電子機器類の廃基板であるE-Scrapは、金・銀・銅・パラジウムなどの有価金属を高濃度に含有するため、都市鉱山として注目されている。加えて、環境意識の高まりから家電のリサイクル率が高まっており、E-Scrapの発生量は拡大基調にあるという。

 それに対応するために、同製錬所ではE-Scrapの受入・処理能力を拡大してきた。2010年度に約3万t/年だった処理量は、2014年度には約8万t/年まで増えている。併せてE-Scrapの受け入れ手続きを迅速化するために、2014年5月にWeb予約システムの稼働を開始。同年6月には、米国の現地法人Mitsubishi Materials U.S.A.社内にリサイクル事業部門を開設するなど、受け入れ体制を強化している。

 同社は今後、E-Scrap処理を金属事業における収益の柱の1つへと成長させることを目指す。グループ企業である小名浜製錬(本社東京)と合わせて、E-Scrapの処理量で世界1位を狙う。