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 これまで、車載パワー半導体の熱解析シミュレーションモデルとは言えば、もっぱら定常状態の解析を対象にしていた。デンソーでECU(electronic control unit)の熱解析に長年携わってきた篠田卓也氏(技術開発センター DP-EDA改革室 担当係長)はこういう。その篠田氏が、車載パワー半導体の熱過渡解析モデルに関して講演した。

講演する篠田卓也氏
日経エレクトロニクスが撮影。
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 この講演は「Mentor Forum 2015 - T3Sterユーザ会」(2015年7月3日に東京で開催)で行われた。篠田氏によれば(写真)、熱の過渡解析のニーズは高まっているという。例えば、真夏の炎天下で長時間走っていたクルマが止まるとエンジンルームがかなり高温になる。その時にパワー半導体が大丈夫なのかをシミュレーションで確かめたい。熱過渡解析モデル(以下、過渡熱モデル)を使って、パワー半導体の接合温度を確認したいという。

 今回の講演では、3種類の過渡熱モデルを紹介した(図1)。(1)JEITAが開発中の過渡熱モデル、(2)T3Sterの実測に基づくRCモデル、(3)T3Sterの実測に基づく詳細モデル、である。ここで(2)と(3)にある「T3Ster」は米Mentor Graphics社の熱抵抗測定用装置で、この2つのモデルは、デンソー、メンター・グラフィックス・ジャパン、IDAJ(熱解析などのCAEに関する製品の販売および技術サポートなどを行う企業。本社は横浜市)の3社で開発した。篠田氏はT3Sterを国内では先行ユーザーとして導入しており、熱の定常解析用モデルの開発に適用してきた(日経テクノロジーオンライン関連記事)。

図1●三つの過渡熱モデルの比較
デンソーのスライド。
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