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 半導体製造プロセスの微細化で,LSIの経年変化による性能劣化など信頼性の問題が深刻になっている。チップ製造前に信頼性に影響を与える要因を検証したい。その要求にこたえるのが,信頼性解析ツール(reliability analyzer)である。ここでは,LSIの信頼性へ影響を与える要因として,アンテナ効果,エレクトロ・マイグレーション,ホット・エレクトロンを採り上げる。

アンテナ効果の検証

 微細化が進展したため,チップのエッチング工程などで配線パターン上に電荷が蓄積する現象が起こっている。これがゲート電極を通じて素子に流れ込むと,素子の性能劣化が生じる。これをアンテナ効果と呼ぶ。この現象は、ゲート電極に接続する配線パターンから予測できる。このため,自動レイアウト・ツールに配線パターンのチェック機能を組み込まれている。また,レイアウト検証ツールの図形処理機能を用いた検証機構の実用化も進められている。

エレクトロ・マイグレーションの解析

 細い信号配線などで大きな電流密度の変化が繰り返し発生すると信号線の断線などが生ずることが知られている。これをエレクトロ・マイグレーションと呼ぶ。この現象は、電源/温度などのストレスを与えて現象を加速すること(加速試験)ができないため,より厳格な設計基準が適用されることが多い。基本的には,IRドロップの検証と同じく各信号線における電流密度を求めたり,信号が変化する周波数を確率統計的またはシミュレーションを用いたダイナミックな手法により求めて検証する。

ホット・エレクトロン解析

 素子のスイッチング時に発生するホット・エレクトロンが,素子性能を経年的に変化させることが知られている。EDAツールなどを使った自動回避の検討はいまだ不十分であるが,劣化量をシミュレーションにより推測する手法は実用化されている。


(99. 9. 6更新)

このEDA用語辞典は,日経エレクトロニクス,1996年10月14日号,no.673に掲載した「EDAツール辞典(NEC著)」を改訂・増補したものです。