PR
Product Data Quality

 製品データ品質。3次元CADデータの良し悪しを示す概念。品質が良い,つまりPDQの良いデータは,編集が問題なくでき,試作,加工に不具合なく使えるデータを言う。具体的には微小なすき間,折れ,微小な図形要素,縮退(直感的にはとがった面),自己干渉などがないデータ。またモデリング手順に不備がないデータ,例えば一度開けた穴を取り消すのに,別の円柱で埋めるなど不自然な操作をしていないものもPDQが良いと言える。

 試作や加工に3次元CADデータが使えるのは当たり前のようにも思えるが,現実にはエラーが発生して利用できないデータは多い。CADの本来の効果を引き出すポイントの一つとして,PDQが注目を集めている。日本自動車工業会のPDQガイドラインには,微小なすき間や微小な図形要素をどう判定するかの基準がある。

 微小なすき間,微小な図形要素などはどの程度小さいと問題になるかというと,例えば同一点の判定基準値(トレランス,10-4~10-6mm程度)に近い小ささのとき。CADシステムが同じ点なのか,違う点なのか,あるいは隣の点がどれなのかを取り違えてしまうからだ。異なったCADでデータを渡したときには,判定基準も変わるから,問題が発生しやすい。

 ソリッドデータの場合には,結果としてデータをきちんと渡せなかったり,編集ができないエラーになる。サーフェスデータでも曲面の微小なすき間のために,CAMでのカッタパスの計算が異常を起こすことがあるが,これもPDQの欠如による問題の一つと言える。

 以前,主に加工や試作の現場で3次元CADデータを作っていたときは,エラーがあってもデータの作り手がすぐ修正できた。設計者が自ら3次元データを作るようになって,データの作り手と使い手が分かれてくると,使い手で問題が発生しても作り手にはフィードバックされにくくなったことから,問題が目立ってきた。

 PDQを確保するための取り組みは国内,海外の自動車メーカーを中心に始まっている。まず必要になるのはツール。CAD内にある微小な要素などを調べるツールが製品化されている。

 しかしもっと大事なのはPDQを確保するための体制作りだ。細かく言えばCAMに使うのか,CAEに使うのかなど,用途でPDQの基準は変わってくる。使う直前にチェックする方が確実だが,その段階でエラーが発覚しても作業が遅れるだけであまり意味がない。PDQはデータの作り手が確保しておくのが合理的だ。かといってデータができたときにすべての用途を想定して検査しても,これまた不必要に時間がかかってしまう。

過去の日経ものづくりにみる関連記事
  • CDAJ,ワークフローを自動化できるデータ交換ツール「DEXcenter ver.5.0」を発売(2005年3月23日)
  • エリジオン,データ簡略化機能などを強化したPDQツール「CAD Doctor」の新版(2005年1月18日)
  • 自工会,「PDQガイドライン V4」とアンケート結果などを公開(2004年2月7日)