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color space

 例えばR(赤),G(緑),B(青)の3原色を軸に構成する空間で,表現したい色を座標で示すことができる。代表的な空間を構成する軸には,RGBのほかに,輝度信号(Y)と二つの色差信号(CrとCb)から成るYCCがある。

 色空間規格として広く知られるのが「sRGB規格」で,1999年10月に標準化された。sRGB規格は,CRTで表現できる色を基準としている。しかしCRTは色再現の範囲がそれほど広くないため,デジタル・カメラやプリンターなどで表現可能な色をカバーできない。そうしたことから,いわゆる拡大色空間規格の検討が,sRGB規格の策定元であるIEC(International Electrotechnical Commission)などによって進められた。そして,2003年1月に正式に標準化されたのが「sYCC」と「bg-sRGB」である(表)。人間が感じる色に対するカバー率はsRGB規格では約55%だった。それに対し,sYCC規格は95%,bg-sRGB規格は100%をカバーする。

 sYCC規格の特徴は,従来のJPEGやMPEGなどの高能率符号化技術で用いる色空間をそのまま継承したことである。JPEGなどの符号化は,YとCr/Cbで規定される色空間,いわゆる「YCC」を用いていた。ただし,YCCにはその空間の範囲に関する定義がなかった。そこで,sRGB規格と関連付けてYCCの範囲を規定したのがsYCC規格である。sRGB規格から線形変換で求まる。sYCC規格は,既に利用が始まっている。例えばデジタル・カメラのファイル・フォーマット規格として知られる「Exif」は,ver2.2からsYCC規格をサポートしている。sYCC規格の色空間に対応したデジタル・カメラは現在,数多く出回っている。

 bg-sRGB規格は,RGB各色の階調を10ビット以上で扱う。sRGB規格やsYCC規格が8ビットで階調を扱うのに比べると画像データのファイル容量が大きくなるが,量子化誤差を小さくできる。

sRGB規格と拡大色空間規格の比較

sRGB sYCC bg-sRGB
標準化時期 1999年10月 2003年1月 2003年1月
制定の目的 ディスプレイやデジ タル・カメラなどの 機器間での共通色空間規格の策定 JPEGなどの画像圧縮において一般に用いられているYCC(輝度信号と色差信号で定義される色空間)へ,sRGBから変換できるようにする 実在する(人間が感じる)色を網羅する規格の策定
色空間の構成軸 R(赤),G(緑),B(青) Y(輝度),Cr/Cb(色差) R,G,B
sRGBとの相関 -
  • 3×3のマトリクス演算でsRGBから変換できる

  • sRGBより色空間が広い
  • sRGB空間軸(RGB各0~1.0)をそのまま拡張(RGB各-0.75~1.25)
  • 階調数 8ビット 8ビット 10ビット以上
    実在する色(人間が感じる色)のカバー率 55% 95% 100%
    2003年10月13日号より抜粋)