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 生体認証技術の一種で,指または手のひらの静脈の模様の特徴で個人を識別する技術。静脈の模様という外部から見えにくいものを用いるため,成り済ましを防ぎやすいとされる。このほか非接触で認証できるので,多人数で共用する場合のユーザーの抵抗感を緩和できる利点がある。

 キャッシュカードの磁気情報を不正に読み取る「スキミング」の被害が相次いだのを受け,ATMに静脈認証を導入する銀行が増えている。このほか,ビルやマンションの入退室管理システムなどに採用実績がある。国内では富士通が手のひらの静脈による認証装置、日立製作所が指静脈による認証装置を販売している。

 静脈認証装置は一般に,静脈パターンを読み取るセンサ部と,取得した画像を登録情報と照合する認証処理部で構成する。センサ部では,まず近赤外領域の光を指または手のひらに照射し,その透過光をカメラで撮影して静脈パターンの画像を得る。静脈を流れる赤血球のヘモグロビンが,近赤外領域の光を吸収する性質を使う。近赤外線の光源に太陽光を利用できる機器もある。

日立製作所が開発した手法では,指の静脈パターンを照合に用いる…
図 日立製作所が開発した手法では,指の静脈パターンを照合に用いる。指の上部から近赤外光を照射し,その光のうち指から透過してきた光を集光してカメラで撮影する。静脈を流れる赤血球のヘモグロビンが,近赤外光を吸収する性質があることから,静脈の部分だけが暗く撮影される。これを白黒反転して,静脈パターン画像を得る。図は日立製作所の資料を基に本誌が作成した
(日経エレクトロニクス2003年10月13日号より抜粋)