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 光の共振する方向が基板面に対して垂直な半導体レーザ。出射光も基板面に対して垂直に出る。1977年に東京工業大学に在籍していた伊賀健一氏が基本的なアイデアを考案した。基板をへき開により切り出された端面を反射ミラーとする水平共振器により構成し,光の共振する方向は基板面に対して平行になる端面発光型レーザと比べて,VCSELは低価格という特徴を持つ。VCSELの製造工程が大量生産に適しているためである。また,レーザ端面をへき開して形成する必要がなく,初期不良はウエハーの段階で一括して欠陥を判定して歩留まりを高められる。これに対して端面発光型ではへき開の工程が必要であったり,個別の素子に切り出さなければ初期不良を判定できない。このほか,直接変調が可能,2次元アレイ構造が採れる,といった特徴がある。

 ただし,開発当初の波長850nm帯のVCSELは,製造時には良品と判断されたにもかかわらず,熱暴走する問題が頻発した。これは波長850nm帯のVCSELがGaAsと光を閉じ込めるためのAl酸化層を組み合わせた構造をしており,そのAl酸化層の構造欠陥が原因となったためである。現在は1310nm帯,1550nm帯などのVCSELも開発されている。