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head related transfer function

 音源から耳に至るまでの音の伝達特性のこと。頭部のまわりの任意の位置で音を鳴らした場合,空間~頭部~耳を経由して鼓膜に至るまでに,周波数に応じて音圧レベルが変化する。この周波数特性を,相対音圧レベル(dB)で示したのが頭部伝達関数である。

 この関数は,頭部や耳の形状,音源を設置する場所(角度)によって異なる値をとる。ヒトが音源の位置を特定できるのは,ヒトが自身の頭部伝達関数とその角度依存性を把握しているためとされる。具体的には,知覚した音の音圧レベルの周波数特性と頭部伝達関数から,音源の角度を割り出す。

 このことを利用すると,左右の鼓膜に至る音の周波数特性を制御することで,音の聞こえる方向を自在に変えることができる。そこで,2つのスピーカを使って音源の位置に合わせた周波数特性の信号を鼓膜に伝えようというのが,頭部伝達関数による疑似サラウンドの基本的な考えである。ヘッドホンやスピーカなどで疑似サラウンドを実現する場合,平均的なヒトの頭部・耳の形状に基づいて算出した頭部伝達関数を利用する。

図 5.1チャネルといった複数個のスピーカを使ってサラウンド・システムを構成する場合,ユーザーの前方だけでなく後方にもスピーカを配置する(a)。これに対し,一部のホーム・シアター・システムやテレビで採用が始まった疑似的なサラウンド・システムは,前面スピーカだけを使ってサラウンド効果を生み出す(b)。このため,背面や側面のスピーカからの音を仮想的に作り出し,前面スピーカから出力する。仮想的な音は,音源から耳までの音の伝達特性である頭部伝達関数の計算式を使って作り出す。
図 5.1チャネルといった複数個のスピーカを使ってサラウンド・システムを構成する場合,ユーザーの前方だけでなく後方にもスピーカを配置する(a)。これに対し,一部のホーム・シアター・システムやテレビで採用が始まった疑似的なサラウンド・システムは,前面スピーカだけを使ってサラウンド効果を生み出す(b)。このため,背面や側面のスピーカからの音を仮想的に作り出し,前面スピーカから出力する。仮想的な音は,音源から耳までの音の伝達特性である頭部伝達関数の計算式を使って作り出す。 (日経エレクトロニクス2006年2月27日号より抜粋)

  • 原音回帰(2006年2月27日号のCover Story)
  • 原出力100Wを超える,デジタル・アンプICが続々(2003年10月27日号のWhat's New)