PR
Optimization

 一定の制約のもとで,任意の目的を満たす最適な条件を決定すること。特に,製品設計における最適化は,CAEを利用して最適な設計仕様を自動的に求める事を指す場合が多い。

 設計者向けと呼ばれるCAEツール,中でも構造解析ソフトなどには最適化機能を搭載したものが多い。最適化という技術が,検証解析ではなく設計上流での利用に向いているからだ。

 例えば,使用環境下での最大応力が一定値以下になるように製品形状を設計する必要があるとする。一方では,材料コストを低減するために,質量はできるだけ小さくしたい。このような場合,応力値を設計基準以下にしながら,質量が最小となる最適な寸法や形状を求めるのが設計最適化である。

 ここで,質量を最小にするというような設計上の狙いを「目的関数」,寸法などの変更可能なパラメータを「設計変数」,満たすべき設計基準などを「制約条件」と呼ぶ。つまり,制約条件下で目的関数を満たす最適な設計変数を導出するのが最適化だ。

 設計変数が少ない場合は,ベテラン設計者が考えたほうが早いが,複数の設計変数を同時に変更する場合は最適な組み合わせを考えるのが難しい。そこで,シミュレーションとパラメータ変更を繰り返し,最適な設計変数を自動的に見つけ出すのである。

 設計分野でよく利用されるのは,製品の形状を決める構造最適化だろう。構造最適化は,寸法や厚さなどのパラメータを設計変数とする「寸法最適化」,構造物の表面形状を設計変数とする「形状最適化」,位相構造(トポロジー)を最適化する「位相最適化」に大別できる。

 ユニークなのは,設計領域内の要素の要・不要を計算する位相最適化。従来製品とは全く異なる新しい形状を導出することも可能なため,新製品の形状設計のヒントを得るのに使える。

 限界設計にも使える。例えば,質量最小化を目的関数にし,既存の製品形状を設計領域とすれば,製品の軽量化の目安が得られる。

 導出された概念形状を出発点としてさらに形状最適化や寸法最適化を組み合わせるなどすれば,現実的な設計へとつなげられる。ただし,中空などの物理的に加工できない形状を算出する場合もあるため,計算結果の利用には注意が必要だ。

 このほか,製品形状の最適化だけでなく,パラメータサーベイを行って最適値を求める汎用の最適化ツールもある。パラメータとして与えられるものなら何でも設計変数にできる。例えば,鋳造解析と組み合わせて鋳込み温度などの製造条件を最適化するといった使い方だ。

 複数のソルバを組み合わせて最適化する場合も,汎用最適化ツールが役立つ。「圧損が基準値以下で固有振動数が高いフィン形状を求める」といった問題では,汎用最適化ツールを介して流体解析ソルバと構造解析ソルバを駆動する。計算を繰り返すので計算負荷が大きいのが難点だが,近年はコンピュータの処理性能が大幅に向上したため実用的なものとなってきた。

 実際の設計・製造には,他にもさまざまな製造コストなどの複雑な条件があるため,最適化の結果がそのまま使えることは少ないが,あくまでヒントだと割り切って使えば便利な機能である。