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バルク弾性波と呼ぶ圧電膜の共振振動を利用した高周波フィルタで,共振器の下部に空洞を設けて圧電膜を振動しやすくした構造のもの。

 2001年に,米Agilent Technologies社からMEMSによるFBAR(film bulk acoustic resonator)が発表された。

 現在,高周波フィルタにはSAW(surface acoustic wave)フィルタが使われることが多い。

 SAWフィルタは,くし型電極で表面弾性波を励振するが,周波数は電極のピッチで決まるので,周波数が高くなるとピッチが細かくなり,配線の幅が細くなるために抵抗が上がって,性能が悪くなる。

 携帯電話などで周波数が上がってくると,SAWフィルタに代わるデバイスが必要になる。

 それがFBAR(エフバー),つまり圧電薄膜フィルタである(図1)。

図1 携帯電話機に使われている米Agilent Technologies社のFBAR
図1 携帯電話機に使われている米Agilent Technologies社のFBAR
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 FBARは図1の下の写真のように,圧電性の膜が厚み方向に振動して共振する素子。Agilent社はこの素子で,デュプレクサという携帯電話機のアンテナの送信と受信を切り替えるデバイスを開発した。北米の携帯電話機には,既に搭載されている。

 ちなみに,この素子が不規則な形をしている理由は,共振したときに横方向の定在波が発生しないようにしているためだ。定在波が立つと厚み方向の振動と干渉して,スプリアスを発生する原因になる。