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不純物濃度依存性選択エッチングの一種で,アスペクト比の大きい溝をウエットのバッチ・プロセスで安価に作ることができる。

 不純物濃度依存性選択エッチングにおいて,n型ではホールが少ないので,陽極酸化されずにエッチングされないと説明したが,n型層も光を当てるとホールが発生するので,このホールで表面を陽極酸化させ,HFでエッチングすることが可能である。

 図1のように,結晶異方性エッチングでV型の溝を作っておき,反対側から光を当てると,発生したホールが電界の集中した穴の底に集まり,ここに陽極酸化膜を作る。従って,この穴の底の部分だけが選択的にエッチングされ,アスペクト比の大きな穴が垂直に開いていく。これをマクロポーラスSiと呼んでいる。

図1 マクロポーラスSiの製造プロセス
図1 マクロポーラスSiの製造プロセス

 アスペクト比が大きい構造を作るには,通常,ドライ・プロセスのDeep RIE技術を使う。しかし,製造装置が高価でスループットも悪く,デバイス1個当たりの製造コストが高くついてしまう。マクロポーラスSiをうまく使えば,ウエットのバッチ・プロセスで安く作ることが可能である。まず,マクロポーラスSiで高アスペクト比の穴を開けて,あとは横をエッチングすればよい(図2)。

図2 マクロポーラスSiによる高アスペクト構造の製作
図2 マクロポーラスSiによる高アスペクト構造の製作