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研磨面を張り合わせ,加熱するだけで電圧をかけずに接合する技術。

 MEMSでは陽極接合以外に,いろいろな張り合わせ技術を利用する。直接接合は,よく研磨した面同士を張り合わせ,加熱するだけで接合する技術である。陽極接合のように電圧をかけない。

 直接接合を行う場合,硝酸の中に入れるなどして,まずSiの表面に水酸基を付ける。それを重ねると,水分子を介した水素結合で弱く接合する。この状態で熱処理をすると,水分が飛んで強い結合ができる(図1)。1000℃以上で熱処理した場合,バルク並みの結合強度が得られるといわれている。

図1 直接接合の原理
図1 直接接合の原理

 表面を清浄にすることがとても重要で,超音波振動子で振動させながら水を吹き掛ける装置などを使って,表面をクリーニングすることも行われる。

プラズマ活性化低温接合

 最近,プラズマ活性化低温接合という技術が出てきた。プラズマで表面を処理した面同士を接合させるもので,直接接合のように1000℃まで温度を上げなくても,十分に強い接合ができるといわれている。EVグループやズースマイクロテックといったメーカーからに既に専用の装置が販売されている。

 バルク並みの結合強度が,わずか200℃程度の温度で達成できる。プラズマにより表面水酸基が多くなるためで,プラズマ活性化後,大気中で位置合わせをして接合することもできる。

 200℃というのはとても重要な意味を持っている。1000℃まで上げるとなると,熱膨張率が違う材料は割れてしまうので,当然付けられない。200℃だったら,熱膨張率が多少違っていても,熱応力自体はそれほど大きくないので,割れないで付いてくれる。

 例えば,SiとGaAsは熱膨張率が2倍ぐらい違うが,プラズマ活性化で接合した後に200℃程度まで上げても,反ってはいるがまだ割れない。室温になればだいたい元の形に戻る。Siの上にGaAsを付けられるということは,発光装置などに使える可能性があるということである。