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 光の波長に対する光強度の分布を示すもの。LEDの発光スペクトルは一般的に単色のLED,例えば青色LEDであれば,470nm当たりがピークとなり,それよりも短波長側の紫外領域や長波長側の緑色領域で光強度が測定限界以下になる。それに対し,白熱電球は400nm台の青色領域から700nm超の近赤外領域まで広く光強度が分布する発光スペクトルとなり,紫外領域や赤外領域でも光強度は観測される。蛍光灯では組み合わせる蛍光体の発光波長の部分が発光スペクトルのピークとして現れる。

 発光スペクトルのピークが一つである一般的な赤色や緑色,青色LEDと比べると,白色LEDの発光スペクトルは大きく異なる。例えば青色領域と黄色領域に二つの発光強度のピークがあったり,あるいは青色領域と黄色領域,赤色領域に三つのピークがあったり,さらにはそれ以上のピークが出たりする。これは,白色LEDが発する白色光は複数の波長の光を組み合わせたものだからだ。例えば,青色LEDと黄色蛍光体を組み合わせると青色領域と黄色領域にピークが現れる。

 LEDを液晶パネルのバックライトに使う場合,LEDからの発光スペクトルは赤色,緑色,青色の三つに発光強度のピークがあることが望ましいとされる。これは,LEDの光は最終的に液晶パネルのカラー・フィルタ(赤色,緑色,青色)を通して外に出力されるためである。

 一方,一般的な照明にLEDを使う場合,発光スペクトルは可視光領域で発光強度が広く分布する白色LEDが好まれる。自然光,つまり太陽光に近い発光スペクトルの方が,照明に照らされる物体の色が自然光を照射した場合に近くなるためである。

発光スペクトルはかなり異なる
発光スペクトルはかなり異なる
青色LEDとYAG系蛍光体,青色LEDとZnSe単結晶基板の発光,紫外LEDとRGB蛍光体といった白色LEDの発光スペクトルを蛍光灯や自然光と比較した例。白色といえども,発光スペクトルは大きく異なる。