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 2D-3D変換は,2次元(2D)を基に3次元(3D)を作りだす際に用いる。今,2D-3D変換技術の進歩が目覚しい。2Dの放送や2Dのビデオ・カメラで撮影したフルHDの映像を,自動的かつリアルタイムに,しかも違和感のない3D映像に変換できる水準に達しつつある。3D映像の制作コストを大幅に押し下げ,大きな課題だった3Dコンテンツの不足が一気に解消する可能性が出てきた。

 2D-3D変換技術が商用に利用され始めたのは1990年代後半である。三洋電機などが専用のLSIを開発し,2002年には携帯電話機にも搭載された。過去にヒットした2Dの映画を3Dに変換する場合にも用いられてきた。ただし,数年前までは,自動的に変換する技術は未成熟で,目に違和感が大きく残るケースが少なくなかった。このため現在でも「中途半端な出来の3D映像を世に出せば,かえって3D映像の評判を落とす」と,2D-3D変換の利用に懐疑的なメーカーも少なくない。だが,市場に投入されている3D対応のテレビには2D-3D変換機能を備える品種が多い。

2D-3D変換機能を搭載,または利用した製品/作品の例
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 2D-3D変換に際しては,コストや時間の大きさも無視できなかった。確かに,2D-3D変換を用いると,撮影時の手間とコストが大きく減る。3D映像の撮影にカメラを2台組み合わせた3Dカメラを利用した場合,一般のビデオ・カメラよりも大きく重く,しかもカメラ・ワークや光軸の調整に特殊なノウハウが必要になるからだ。ところが,2D-3D変換自体にも,膨大な人件費と時間がかかっていた。その多くが手作業で映像に視差を付加していたためだ。2D-3D変換

技術大手の米In-Three,Inc.は,1本の映画の変換に300~400人のスタッフを4~6カ月動員する必要があることを明らかにしている。「映像1分当たりの製作コストが数百万円かかる例もあると聞く」(ビクター・JVC)という。