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 40年の歴史を持つタッチ・パネル技術において,最も古くからある方式であり,現在も主流の方式の一つである。2009年のタッチ・パネル出荷金額のうち約半分を抵抗膜方式が占めている。メーカー数も世界中で50社以上ある。

 基本的な構造は,ガラス基板の上に透明導電膜を成膜し,その上にスペーサを挟んで,透明導電フィルムを置く。上側の透明導電フィルムと下側のガラス基板に,それぞれ直交する方向に電界をかけておく。上側の透明導電フィルムのどこかにタッチすると,その部分で下側のガラス基板の透明導電膜とショートする。そのときの電圧降下を測ることで,タッチした位置を計算する。最近では,薄型化のために下側のガラス基板の代わりにフィルム基板を採用したり,耐久性向上のために上側の透明導電フィルムの代わりに透明導電膜付きガラス基板を採用したりした製品が出てきている。また,アンチグレアなどの反射防止の表面処理を施した製品もある。抵抗膜方式は,サイズを大きくすると,精度や歩留まりが悪くなるという問題がある。従って,現状では2~26型程度である。用途は,モバイル機器やPOS端末が多い。

 抵抗膜方式は長い間,2本以上の指で同時に画面をタッチしながら操作できるマルチタッチに「対応できない」と言われていた。ところが,最近,このマルチタッチを実現した抵抗膜方式のタッチ・パネルが出てきている。抵抗膜方式でマルチタッチを実現したのがフランスStantum社である。通常のアナログ抵抗膜方式に換えてデジタル抵抗膜方式(マトリクス抵抗膜方式とも呼ばれる)を採用し,マルチタッチを可能にする独自の検出技術を開発した。通常のアナログ抵抗膜方式とは電極構造が異なる。全面が均一な抵抗膜ではなく,ライン状にパターニングした抵抗膜を使う。これを交差する方向で上下に対向させて,タッチ・パネルを形成する。同社は現在,10点以上の入力に対応したデジタル抵抗膜方式タッチ・パネルの開発を進めている。

10点以上の入力に対応したデジタル抵抗膜方式タッチ・パネル(Stantum社)