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 同時同量とは、電力の需要と供給を絶えず一致させることを言う。需要と供給のバランスを保つことで、英語ではバランシング(balancing)と言う。

 電気は、電気のまま貯めておくことが難しく、また「売り切れましたので停電します」と言うわけにもいかないビジネス上の特性がある。このため、時々刻々と変動する需要量に合わせ、供給量(発電量)をピッタリ一致させ続ける必要がある。

 具体的には、電力会社のオペレーターが、需要予測に応じてどの発電所を稼働させ、どの発電所をスタンバイにさせるかなどの発電計画を定め、当日の需要変化を見ながら発電所を運転/停止したり、出力を細かく調整したりして同時同量を達成する。

 ただし、電力会社は全ての需要家の需要量を細かく計測する必要がある訳ではない。もし全需要家の需要量を計測しようとしたら、全需要家にスマートメーターを設置しなければならない。現在は、系統全体の周波数を一定の範囲に収まるように発電所出力を調整することで、結果として同時同量を実現している。

 地域の電力会社が瞬時単位の同時同量を行う一方で、新電力が行うのは「30分同時同量」である。電気事業法により、新電力は、瞬間的な需要と供給がずれても30分間の総量(kWh)でつじつまを合わせれば良いルールになっている。このルールを守るため、新電力は自身の顧客全てに30分単位で電力量を計測できる遠隔監視メーターを設置し、需要データを集める必要がある。また、顧客の合計需要量を予測しつつ、自身の発電所出力や購入電力の合計が30分単位で一致するように調整するための「同時同量システム」を構築しているケースが多い。一般的には、顧客数が増えて規模が大きくなるほど合計需要の変動は平均化されるため、30分同時同量も容易になる傾向がある。

 30分単位といえども、新電力が同時同量を完全に達成するのは難しく、通常はある程度の超過や不足が生じるものである。この場合は、地域の電力会社が不足分を補給したり超過分を吸収したりする。新電力が不足を生じたときに電力会社がペナルティ的に請求するのが「インバランス料金」である。

同時同量のイメージ
同時同量のイメージ