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性能を高めた、リチウムイオン電池(手前)とニッケル水素電池(奥)。見た目では、似たような大きさだ。新型プリウスでは、後席下に配置する。
性能を高めた、リチウムイオン電池(手前)とニッケル水素電池(奥)。見た目では、似たような大きさだ。新型プリウスでは、後席下に配置する。
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リチウムイオン電池。左側に冷却用の吸気口(黒色)が見える。写真にはないが、吸気口の手前に冷却ファンを配置する。運転席側の後席の座面下には、この吸気口に空気を送る口がある。
リチウムイオン電池。左側に冷却用の吸気口(黒色)が見える。写真にはないが、吸気口の手前に冷却ファンを配置する。運転席側の後席の座面下には、この吸気口に空気を送る口がある。
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リチウムイオン電池。安全規制を先取りして、発火時の煙を外に逃がす排煙口(黒色)が右側に見える。排煙口は、写真の奥にある。排煙の構造は、以下の写真「リチウムイオン電池のパネル」を参照。
リチウムイオン電池。安全規制を先取りして、発火時の煙を外に逃がす排煙口(黒色)が右側に見える。排煙口は、写真の奥にある。排煙の構造は、以下の写真「リチウムイオン電池のパネル」を参照。
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ニッケル水素電池。左側に、冷却用の吸気口が見える。リチウムイオンに比べてセル数が3倍程度多いため、吸気口の手前に配置する冷却ファンは、リチウムイオン電池より性能の高いものを使う。
ニッケル水素電池。左側に、冷却用の吸気口が見える。リチウムイオンに比べてセル数が3倍程度多いため、吸気口の手前に配置する冷却ファンは、リチウムイオン電池より性能の高いものを使う。
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ニッケル水素電池パック。裏側。リチウムイオン電池が備える、排煙口(黒色)はない。
ニッケル水素電池パック。裏側。リチウムイオン電池が備える、排煙口(黒色)はない。
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リチウムイオン電池のパネル
リチウムイオン電池のパネル
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ニッケル水素電池のパネル
ニッケル水素電池のパネル
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 トヨタ自動車は2015年12月に発売する新型「プリウス」で、新しいリチウムイオン電池とニッケル水素電池を採用する。電池パックを小型化して搭載性を高めたほか、セルの性能を高めたのが特徴である。

 リチウムイオン電池は、2011年5月発売の「プリウスα」で採用した従来品に比べて、セルを小型化したことでパックの容積は6%減らした。セルを小型化したことで電流容量は、5.0Ahから3.6Ahに減った。ただ、セルの正極材(3元系)の配合比率を変えたことなどで「セルの出力密度は逆に高めている」(HV電池ユニット開発部電池機能部品開発室長の高橋泰博氏)とする。

 このほか、リチウムイオン電池パックの将来の安全規制を先取りして、パック内部で煙を収集する配管を設けた。配管で集めた煙を車外に逃がす。パックの電圧(207.2V)やセル数(56セル)、セル電圧(3.7V)は従来通り。パックの質量は24.5kg。

 リチウムイオン電池の開発は、セルからパックまでトヨタ自動車。製造は、セルとモジュール(28セル)がプライムアースEVエナジー(PEVE)、パックがトヨタ自動車の本社工場である。

 ニッケル水素電池は、2009年に発売した先代プリウスに比べて、セルの材料の比率の見直しで、回生能力を高めた。回生時に最大で20kW程度まで充電できるようにしたほか、単位時間当たりの充電量は従来よりも28%高めている。「充電性能の向上で、車両の燃費性能の0.5~1%程度は寄与している」(高橋氏)とする。

 セルは材料を改良したが、セルとモジュールのサイズは変えていない。既存の生産設備を使えるほか、搭載する車両も柔軟に選べる。配線や回路基板の小型化で、パックの容積は10%小型化した。

 パックの電圧(201.6V)やセル構成(168セル)、電流容量(6.5Ah)、セル電圧(1.2V)は、従来通り。パックの質量は40.3kgである。ニッケル水素電池の開発・製造は、セルからモジュール(6セル)、パックまでPEVE。

 ニッケル水素は、大量生産によるコスト競争力と多くの実績による信頼性がある。さらに「セルの性能はまだ高められる。リチウムとニッケルの二つのグループがトヨタの社内で競い合っている」(高橋氏)という。