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 中国のスーパーコンピューター開発が一層加速している。2017年1月17日、中国国営の新華社通信は、1ExaFLOPSの理論ピーク性能(Rpeak)の実現を目指すスーパーコンピューターの試作機が、2017年末までに完成するメドが立ったと報道した(新華社の記事)。2020年の本格稼動が目標という。

 1ExaFLOPSは、浮動小数点演算を1秒間に1☓1018回実行できる性能で、現行の世界最高速スパコンの約10倍に相当する。現在、スーパーコンピューターの性能ランキング「T0P500」の1位はやはり中国製の「神威・太湖之光(Sunway Taihu Light)」で、LINPACKベンチマークで計算した実効性能(Rmax)は93PFLOPS、Rpeakは125.436PFLOPSである。同機が採用するプロセッサーの製造プロセスは未公表だが、28nmと見られている。

 中国は、国防科技大学(NUDT:National University of Defence Technologyh)、中科曙光(Sugon Information Industry)、国家並行計算技術センター(NRCPC:National Research Center of Parallel Computer Engineering & Technology)・無錫江南計算技術研究所(Wuxi Jiangnan Computing Technology Institute)という、大学や企業、研究所から成る三つのチームに資金を与えて、高性能スパコンの開発を同時に進めている。プロセッサーやOS、アルゴリズムや通信環境などをすべて独自に開発する。

 2017年末に試作機を完成させると表明したのは、国防科技大学チームの天津拠点である。また、中科曙光の高性能製品事業部の曹振南総経理は、「放熱には、液浸式で気化熱も利用した技術で対応していく」と明らかにした。スパコンを液体に浸し、熱を吸収させた液体を気化させて、室外で冷却する技術という。電力の利用効率である「PUEを1.1にするのが目標」という。プロセッサーの製造プロセスは未公開である。

†PUE(Power Usage Effectiveness)=データセンター全体の消費電力/IT機器による消費電力。1.0に近いほど電力効率が良い。