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グローバル調達戦略の策定・実行ステップ

 では、調達部品ごとにコストダウンの方針を策定し、コストダウン部品を織り込む製品モデルと織り込むタイミングを見える化するステップを解説する。

[1]調達カテゴリーの定義
 調達カテゴリーの定義は、調達戦略の立案単位を決めることだ。調達品目別に、その機能が共通していると見なした品目群を同一カテゴリーとしてグルーピングしていく。その際、大きな単位でカテゴリーを定義し過ぎると、具体的な計画に落とし込めなくなってしまう。逆に、あまり細かい単位で定義すると計画に柔軟性が欠けてしまう。従って、粗過ぎず、細か過ぎず、またデータ集計可能な粒度でカテゴリーを定義することが大切だ。

[2]グローバル調達コストの見える化
 定義した各カテゴリーにおいて、「どの拠点が」「どの部品メーカーから」「どのような品目を」「いくらで」「どのくらいの量を」調達しているかを把握できるように、グローバルの各拠点における調達コスト情報を収集する。

[3]グローバル調達カテゴリー戦略の策定
 ここまでの整理で見える化された情報を活用し、コストダウン施策をカテゴリーごとに策定していく。コストダウンには定石となる打ち手が存在する。打ち手は大きく分けて、「部品メーカーに働き掛ける打ち手」と「部品に対して働き掛ける打ち手」に分けることができる。

 一方で、調達における「自社と部品メーカーの力関係」により、同じ施策でも有効性が変化するため、部品メーカーの力関係の視点からも分類する必要がある。部品メーカー側の業界寡占度が高い場合や、自社の顧客承認の取得が困難で部品メーカーや部品の切り換えが難しい場合は、部品メーカーの方が力関係が強くなる傾向にある。逆に、仕様がシンプルで多くの部品メーカーが存在する場合は、部品メーカーの切り換えが簡単であり、自社の力が強くなる。

 こうした分類を考慮し、定石となる打ち手を整理するのがポイントだ()。逆説的だが、カテゴリー別の調達戦略に唯一の解はない。部品メーカーの構成や取引条件、品目バリエーション、部品メーカーの業界動向や部品メーカーとの力関係など、さまざまな情報をカテゴリー別に勘案し、定石の中から自社の状況に合った適切な打ち手を選択し、具体化することが重要だ。

図●コストダウンのための打ち手
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図●コストダウンのための打ち手