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象限別の内外製方針

 工程を分類したら、それぞれの象限ごとに方針を設定する。ポイントを解説していこう。

①「コア工程」×「内製の方がコストメリット大」
 ここに分類された工程はコア工程、つまり顧客要求や製品機能に欠かせない工程だ。かつ、内製の方がコストメリットが大きいので、徹底して内製する。これにより、技術力を蓄積し、特許取得や製品の「ブラックボックス化」などを実行することができ、自社製品の競争力向上につながる。

②「コア工程」×「外製の方がコストメリット大」
 コア工程なので①と同様に内製すべきだが、①とは違って内製よりも外製の方が安い。この場合、単純にコストメリットのみを考えて外製という判断を下すことが多い。確かに、外製にした方が低コストので、短期的には稼ぐことができるかもしれない。だが、外製に頼っていては製品性能に直結するコア工程の技術を蓄積できず、技術の空洞化をもたらすだけではなく、中・長期的には稼ぐことができなくなる。

 この場合、「必要な人材・投資資金を確保できるか」「技術変化のスピードに対してキャッチアップできそうか」といった点が意思決定の決め手となる。もし、これらが「Yes」であれば、内製が基本方針となり、自社の優位性の獲得を目指して投資を行っていく(②⇒①を目指す)。「No」であれば外製が基本方針となり、競争優位の獲得・維持を目指して資本提携や共同開発なども視野に入れて他社との提携を強化していく。

③「非コア工程」×「外製の方がコストメリット大」
 非コア工程は、製品性能に直結しない工程であり、製品の競争力にはつながらない。そのため、徹底して外製を活用し、安く調達すればよい。

④「非コア工程」×「内製の方がコストメリット大」
 非コア工程なので③と同様に外製が基本だが、内製の方が安いので外製と内製を併用してもよい。ただ、自社が保持している技術や設備を活用してサプライヤーの指導・育成などを行い、外製化を推進したい(④⇒③を目指す)。外製化したことにより浮いたリソースを新技術の開発に割り当てることができるからだ。

 上記が内外製の基本方針となる。実際にはこれら基本方針に加えて、「現状の生産能力」や「設備の有無や更新計画と投資資金」、「該当部品の今後の見込み生産数量」なども考慮し、工程別に内外製を個別に判断していくことになる。

内外製方針をフロントローディング活動に反映せよ

 内外製を判断したら、生産部門以外にもその結果を共有しなければならない。内外製について営業や開発、調達部門と擦り合わせを行い、部品コスト見積もり依頼書(RFQ)の回答価格へ内外製方針を織り込み、開発戦略や調達戦略とも連携させることが肝要だ。これにより、各戦略が有機的に機能し、開発や調達だけではなく生産まで考慮したフロントローディング活動が可能となる。そのため、トータルでみた戦力が高まる。