デジタルカメラのコモディティ化は近い

 では、先の経験則を使って、現時点で日本企業のシェアが高いデジタルカメラで、いつコモディティ化が起きそうなのか、見通してみよう(図1-4)。

【図1-4】デジタルカメラの特許出願状況(国内・出願年別)
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【図1-4】デジタルカメラの特許出願状況(国内・出願年別)
 実際に店頭で販売された世界初のデジタルカメラは、1990年に発売されたDycam社の製品だった。その後、電源がなくても記録保持できる、現在市場に流通しているようなコンパクトなデジタルカメラを発売したのは1993年の富士写真フイルム(現 富士フイルム)である。出願動向を調査すると、最初のデジタルカメラに関する出願は1983年に始まる。ただし、1980年代の出願件数は少なかった。2 桁以上の出願がなされた1989 年から伸び始め、2002年にピークに達している。

 ここで、製品が発売されてから特許件数がピークに達するまでの期間の中間点までは、必須特許を取得する余地があるという経験則が当てはまるとすると、発売時期である1993年と2002年の中間時点は1995年から1998年頃になる。この辺りの時期までが必須特許の出願期間であったと推測できる。特許の存続期間である20年を加算すると、2015年から2018年頃に技術のコモディティ化もしくはその兆候が見られるようになると思われる。

 デジタルカメラは、日本企業が世界シェアの50%以上を占め、電子機器の中では健闘している製品分野である。しかし、早晩市場環境の転換期を迎え、各社はその対応に迫られることになろう。

 特許の出願動向調査を行うことで、技術のコモディティ化が起きる時期を前後3年程度の精度で予測することが可能である。そして、技術のコモディティ化の時期を目安にして、ビジネスモデルや知財戦略の変更を予定しておくことができる。