知財ステージに応じた事業戦略と知財戦略

 MOTの分野には「プロダクト・ライフサイクル」という概念がある(図1-5)。新製品の「導入期」は、その製品が市場に浸透してニーズが喚起されるまで売り上げにはつながらない。これが、ひとたびニーズの高まりに勢いがつくと、売り上げは急激に伸び始め、先行者が先行者利益を得ることができる「成長期」を迎える。

【図1-5】プロダクト・ライフサイクル
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【図1-5】プロダクト・ライフサイクル
 ただし、魅力的な市場であることを知ったコンペティターも参入を始める。このため、市場規模は増大するが、やがて価格競争が激しくなり、利益率が落ち始める「成熟期」に移る。そして、最後は市場規模、利益率ともに低下し、製品市場は寿命を終える「衰退期」に入る。

 技術のコモディティ化に着目すると、知財戦略論の視点からもプロダクト・ライフサイクルと同じようなステージがあるのではないか。売り上げと利益の変化を追うのか、技術および知財による支配力の変化を追うのかという違いはある。それでも、同じ製品市場を見ているため、プロダクト・ライフサイクルとは一定の相関があるはずである。

 この観点から、縦軸に技術のレベル、横軸には時間をとって整理したものが図1-6である。知財戦略のステージは3つに分けられそうだ。

【図1-6】技術のコモディティ化に着目した製品の知財ステージ
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【図1-6】技術のコモディティ化に着目した製品の知財ステージ