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品質マネジメントモデルの高度化

 前回に述べた製造工程管理の問題に対して、“IoT(Internet of Things)とビッグデータによる品質マネジメントの高度化モデル”を提言する。図1を参照しながら、そのポイントを確認していこう。

図1 IoTとビッグデータを用いた品質マネジメントシステム高度化モデル
図1 IoTとビッグデータを用いた品質マネジメントシステム高度化モデル
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 1番目は、部品や設備を個体管理(シリアル番号管理)にすることだ。自動車業界において部分的に導入が始まっているが、まだ部品管理の大部分はロット管理である。個体管理では、部品や製造設備をQRコードや個体認証技術などで識別し、グローバルで一元化したシリアル番号で管理する。これにより、より高度なトレーサビリティーの実現を狙える。

 2番目は、IoTの技術を用いて検査データや設備条件の情報を収集することだ。部品や設備の検査結果や点検結果を、IoT技術が搭載されたタブレット端末、測定器、製造設備からWiFi経由で品質データベースに取り込む。測定結果は品質データベースに格納し、即時グローバルレベルで共有する。品質データベースは、クラウド上に存在し、生産拠点を意識することなく、これらの情報を取り扱う。

 3番目は、収集した情報をビッグデータとして解析し、意味のある情報を抽出して、製品開発や生産技術にフィードバックすることだ。数値情報を複合的に分析し、人間が発見しにくい問題の検出や、設備のメンテナンス担当員よりも早期に故障を予知するなど、価値のある情報を抽出するのである。

 このモデルでは、トレーサビリティーの高度化(過去の情報)、新鮮な情報を開発部門にタイムリーにフィードバックする(現在発生中の情報)、将来発生する問題を予見する(未来)という、3つの観点での効果が期待できる。

 ただし、このモデルを実現するには、いくつかの前提条件が存在するので、次章で解説する。