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 2030年に大きく姿を変えているであろう自動車業界について、本連載では変化をもたらすモビリティー革命の三つの要因と、自動車業界の各プレーヤーへの影響について考察してきた。前回は、自動車業界と切り離せない周辺業界の一つである「販売・アフターサービス」への影響を紹介した。最終回の今回は、モビリティー革命の影響を特に大きく受ける損害保険を取り上げる。

2030年には約150兆円市場

 東インド会社の積荷保険から始まった損保市場は、モータリゼーションの到来により飛躍的に成長した。世界の損保市場は現在約250兆円であり、その約4割にあたる約100兆円が自動車保険と推計される。

 それゆえ、自動車産業の行く末が損保業界に与える影響は大きい。今後、新興国におけるモータリゼーションが世界の自動車市場の拡大をけん引し、自動車保険市場は2030年に約150兆円まで拡大すると予想される。

 特に中国・インドを核としたアジア・大洋州市場の躍進が目立ち、2030年の時点で同市場は北米を上回る世界最大の自動車保険市場となるだろう(図1)。長期的に世界経済の成長ペースが鈍化していく中で、アジア・大洋州を中心とした新興国が主戦場となることは間違いない。

図1 世界の自動車保険市場規模と地域構成
図1 世界の自動車保険市場規模と地域構成
出所:OECD他、各種統計資料よりデロイト試算
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 一方、市場規模の観点だけでは、自動車保険市場の将来は語れない。これまで本シリーズで挙げてきた「パワートレインの多様化」、「クルマの知能化・IoT化」、「シェアリングサービスの急拡大」がもたらすモビリティー革命により、保険業界はどう変わるのか。本稿では、モビリティー革命後の保険業界の姿を解き明かし、関連プレーヤーへの示唆を導出する。