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投資家は数打って当てる

 リーンスタートアップは、起業家を対象にした経営哲学だが、シリコンバレーの投資家にも似たような哲学がある。それは、「spray and pray」と呼ばれる投資アプローチである。一言で表せば、「数打てば当たるだろう」という考え方だ。

 ごく少数のベンチャーにそれぞれ多額を投資して経営に深く関わるのではなく、数多くのベンチャーに少額を「薄く広く」投資し、出資後は起業家とあまり接触しない、という方法である。

 米Google社に63番目の社員として1999年に入社したAydin Senkut氏は、そんな方法をとった投資家である。彼は2004年の同社のIPO後に自らのストックオプションを売却し、2010年までに60社以上に対して、1社当たり2万5000米ドルから15万米ドルを投資した。60社以上も投資しては、それぞれのスタートアップを支援する時間を十分に割けないだろう。それにもかかわらず、Senkut氏が今まで投資したスタートアップのうち50社以上が大企業に買収され、大きなリターンを生んだようだ。

 

 このように、投資家にとっても、リーンスタートアップのように、小さな行動を複数行うことが、リスク低減につながると言えよう。

(英和訳協力)碇健一郎、岩﨑一徳、奥田翔平、松岡範暁