第4のグループは「局部的に溶かして形をつくる加工」です。レーザー光や放電、あるいは化学反応によって材料の一部を溶かして形をつくる方法です。工作物(ワーク)に外力を加えることなく高精度で加工できることが特徴です。
そして、第5のグループは「形を変えずに材料の特性を変える加工」です。熱処理と表面処理があります。
世の中の一般的な加工は、以上の5つのグループのいずれかに分類されます。
以上のグループを大分類とすると、次は中分類です。切粉が出る切削加工では、丸形状に削るのが「旋盤加工(旋削)」、角形状に削るのが「フライス加工」、表面を滑らかにするのが「研削加工」になります。
型を使う成形加工では、金型を使って打ち抜きや曲げを行う「プレス加工」、金型を強い力で押し付けて変形させる「鍛造(たんぞう)」、溶けた金属材料を型に流し込む「鋳造」、プラスチック材料を流し込む場合は「射出成形」となります。
このように、徐々に細分化していくことで各加工方法の位置づけが分かると思います。まずは全体像をつかんだ上で、各加工方法はどのような加工機を使うのか、どのような原理で加工されるのかを見ていくのです。
切粉が出る切削加工での注意点は、工具の形状がそのまま工作物に転写されるので、特に設計者には「工具の知識」が必須になります。一方で、工具の回転数や送り量といった「加工条件」については、プロの加工者にお任せして構いません。加工条件の最適化は、材質や求める加工精度によって異なるため、非常に高度な技術になるからです。従って、書籍で学ぶ場合には、加工条件のページはサラッと読み流すだけでOKです。ただし、加工者は別です。加工者にとっては、最適な「加工条件」を見出すことが大切なスキルになるからです。
最近は工作機メーカーや加工メーカーが販売戦略としてインターネットで加工の動画を配信しています。ぜひ、これらを学習の参考にしてください。
今回で、ハード面の「固有技術」である材料、加工、図面を学ぶコツは終わりです。次回からソフト面の「管理技術」の学び方を紹介します。