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メカ方式を徹底的に電子化

 第2世代は、この課題を解決する方法として接点は残しつつ、パワートランジスターで1次側の大きな電流を切り替える方式を採用した。接点にはパワートランジスターを切り替える小さな電流だけが流れるようになり、接点への負荷が大幅に小さくなった。こうして接点不良への対策を打ったのだ。

 第2世代ではさらに対策を施した。メカ接点のもう1つの課題である接点の開閉回数の多さへの対策だった。接点は、エンジンの回転数に対して2倍の開閉を行っていた。例えば、エンジンの回転数が4000rpmの場合、接点の開閉は8000回/分だった。エンジンの最高回転数が6000rpmでは、実に12000回/分も開閉することになる。だが、メカ接点は長期間使用できない。そこで、メカ接点に代わり、電磁ピックアップコイルでカム位置を検出する非接触センサー方式を採用したのだ。これで、メカ接点が完全に廃止され、信頼性が飛躍的に向上した。この第2世代は1970年代半ばから投入された。

 第3世代では、点火時期制御のガバナーとバキュームコントローラーの電子化を図った。当時のメカ方式の進角制御では、厳しい排出ガス規制や燃費規制への対応は難しかった。その対応として、エンジンECU(電子制御ユニット) を使って点火時期を制御する点火時期進角制御が取り入れられた。1980年頃から採用されている。

 第4世代は、最後に残ったメカニカル機構である、配電用ディストリビューターの電子化だ。従来は1個の点火コイルから各気筒の点火プラグへ配電していた。これをやめ、各点火プラグの上にダイレクトに点火コイルをつないだ。点火コイルを点火プラグに直結することで配電の機構が不要となり、ディストリビューターを廃止できた。この方式はディストリビューターレスイグニッション、すなわちDistributor-Less Ignition System で、略してDLI式と呼ばれる。1990年代後半になると、DLI式の点火コイルとイグナイターを体化したスティックコイルも登場してきた。

 このように、第4世代にわたって進化を遂げたのは、このシステムに携わる人たちの頑張りによることは言うまでもない。夢と希望を持って取り組み、どんどん新しい技術を開発して製品を世に送り出す。そして、お客様を笑顔にしてきたのである。

 ものづくりに携わる者は、かくありたいものだ。