PR

スパイラルアップさせるしかない

 量産図面の出図が遅れた場合も同様である。どのような理由があろうとも、決められた日程に図面を出さなければならない。出図日を踏まえて、その後の生産工程準備など量産までの日程が決まっているからだ。設計の出図の遅れは、後工程である「お客様」に大きな迷惑をかけることになる。

 ただし、課題の解決に時間がかかって遅れる場合もある。その場合は、製造側へ理由を説明し、頭を下げて了解をもらうことになる。もちろん、製造からは叱責を受ける。だが、了解を得られると、製造や品質保証など関係部署が一丸となって取り組み、日程の挽回を行うことができる。性能達成のために「2ランクアップ」の(高度な)工夫がないと造れないような図面を出す場合も、製造側から厳しい追及を受ける。だが、これも納得を得られれば全力で関係部署が取り組んで達成する。このように、製造から設計への指摘、設計から製造への指摘は緊張感を持って行われる。

 仕事柄、私は製造現場の様子を知る機会がある。すると、「忙しい」とか「時間がない」などの理由を掲げて「これくらいで仕方がない」と諦めてしまう、緊張感のない製造現場に出くわすことがある。これでは「現場力」はもちろん、「設計力」も向上しない。なぜなら、「設計力」と「現場力」はスパイラルアップしながら高まっていくものだからだ。設計と製造が適度な緊張感を持って取り組み、両者が互いに刺激し合わなければ、「設計力」と「現場力」がスパイラルアップすることはないのである。

 一度、社内の設計と製造が適度な緊張感を持って互いに高め合っているかどうか振り返ってみてほしい。