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 そして次のステップとして、いよいよ世界最小のサイコロ造りに取り掛かります。世界最小のサイコロを造る上で、最も制約条件になるのが刃物の大きさです。最初に造った12mm角のサイコロでは、目のくぼみの切削加工に⌀2.5mmのボールエンドミルを使用しました。このボールエンドミルの径が小さくなれば小さくなるほど、小さなサイコロをつくることができるわけです。

 この当時(2004年)、市販されている最小サイズのボールエンドミルが⌀0.1mm R0.05mm(日進工具)のものでした。斎藤社長が日進工具に問い合わせたところ、⌀0.06mm R0.03mmのボールエンドミルを造れることが判明した、といいます。そして、この⌀0.06mmのボールエンドミルで削れる最小のサイコロが0.3mm角であることから、この寸法が決定しました。

 さらに加工を完成させるため、特殊治具を設計・製作。肉眼での確認が困難なサイズであることから取り扱いに時間がかかり、15時間をかけて0.3mm角のサイコロ1個をようやく完成させました。

図2 入曽精密が造った0.3mm角のサイコロ
図2 入曽精密が造った0.3mm角のサイコロ
写真:入曽精密
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 さらに2016年11月には、⌀0.02mmのボールエンドミルにより、何と0.1mm角のサイコロを製造するのに成功します。0.1mm角のサイコロを下図に示します。太さ90μmの髪の毛との比較の写真ですが、いかに0.1mm角のサイコロが微細であるかがよく分かります。

図3 入曽精密が造った世界最小0.1mm角のサイコロ
左は2017年1月発表、右は金メッキ加工品で同年8月発表。写真:入曽精密
図3 入曽精密が造った世界最小0.1mm角のサイコロ
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図3 入曽精密が造った世界最小0.1mm角のサイコロ
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 ではいったいどうやって、この世界最小のサイコロは製造できたのでしょうか?